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2026

【サマー決起ブログ 1年 加藤昊樹】

高身長イケメン、男子校出身でおもしろいおがしんから回ってきました。誰かが大谷翔平に似てるって言っていたけれど、僕は大谷よりおがしん派。あ、やっぱ大谷さんはお金すんごいから結婚するなら大谷で。おがしん、ごめん。1年の加藤昊樹です。


 まず初めに平素より上智大学男子ラクロス部に多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございます。日頃よりご尽力いただいているコーチの皆様、温かく見守ってくださる保護者の皆様、そしてOBOGの皆様に、部員一同心より感謝申し上げます。


 これより下は冠模試で国語偏差値41を叩き出した私が入部してからの出来事を今の想いを込めた、また、ただ書くだけではつまらないと思った故に村上春樹風の文章でお送り致します。とても拙く、香ばしい仕上がりになってしまいましたが、暖かい目で見てください。








    


    ヨーグルトと時刻表



 入部して二週間後に僕の腰は静かに壊れた。


 派手な音がしたわけではない。ドラマみたいに誰かが駆け寄ってくることもなかった。ただ、ある動作をした瞬間に「ああ、前と同じだなぁ」と理解しただけだった。旧友に偶然道で会ったときのあの感覚に似ている。会いたくなかった旧友に。


 それから二ヶ月と半分が過ぎた。二ヶ月半というのは奇妙な長さだ。貯金を崩すのには十分だけれども、腰の痛みを治すのにはどうやら足らないらしい。


 僕はグラウンドのベンチに座って、同期の練習を見ている。パスの音が聞こえる。スパッ、スパッ、というかすかな音。同期たちは日に日に上手くなっていく。ボールが空中にある時間が少しずつ短く、軌道が正確に、そして綺麗になっていく。それを眺めているのはけっこう悪くない気分であり、同時にけっこう悪い気分である。両方が同時に成立することが、世の中にはある。たぶんそういうものなのだろう。


 「焦らないでくださいね」とマネージャーの人が言った。


 「焦ってないです」と僕は答えた。半分はほんとうで、半分は嘘だった。


 そのうえ、財布の中身も静かに減っていく。こちらは腰とは違い、自然治癒能力がない。だから今月から塾バイトとカフェバイトを増やし、めるかり、というアプリで参考書を売ることにした。人は誰しも働かなければならない。村上春樹だって喫茶店をやっていたらしいし、福山雅治だって宅配ピザをやっていたらしいし、あのおがしんでさえホテルマンをやっているらしい。たぶん僕も似たようなものだと思う。たぶん。


 夜、バイトから帰ってきて、持って帰ってきたまかないに一口かぶりつく。冷蔵庫をあけてたった一つ残っていた食べるヨーグルトを飲み干した。その時の僕にとってスプーンを取り出すという工程はひどく遠いものであった。僕は容器の底に少し残ったヨーグルトを見ながら考える。いつかまたグラウンドに立って、自分の手から離れたボールがネットに吸い込まれるあの瞬間を。あの一秒にも満たない時間のことを。


 やれやれ、と僕は思う。時刻表のない電車を待っているようなものだ。いつ来るかは誰にもわからない。でも少なくとも、線路が僕の前でぷつりと途切れているわけではない。


 だからその日は必ずくる。僕はそう信じている。







 次は肺年齢が50歳と診断されてしまった啓太に託します。たぶん同じ肺年齢の人だけでオリンピック開催したら入賞できる。たぶん。

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